続・元殺し屋と、殺し屋
「相島の気持ちも考えて…?」
「どういう意味だよ」
オレは溜息をついた。
「オレ、知っているんだ。
今、花菜が泣いていたって」
「「……」」
「花菜のこと、泣かせたのオレでしょ?」
「違う…」
「総司のせいじゃない…」
「良いんだよ、レイ、恭真。
嘘なんてつかなくて良い」
「「……ッ」」
「オレ、花菜のこと、今でも好きだし、これからも好きだって言える自信がある。
でも、花菜はそれだけじゃ満足しない。
本当は巷にある恋愛小説みたいに、キスとか手を繋ぐとかしたいって思っているんだ。
…花菜が何を思っているぐらいわかるよ、彼氏なんだから」
「「……」」
「そんな些細な花菜の夢、オレは叶えられない。
オレの発作も、いつ暴走するかわからない。
…花菜が好きだから、オレは誰よりも花菜に幸せになってもらいたい」
レイと恭真は、それ以上何も言わなかった。
ただ、レイはボソリと呟いたのを、オレは聞き逃さなかった。
「…本当に相島が大事だと思うなら、相島の気持ちも考えて別れろよ」
その意味は、
オレにはまだ…わからない。