続・元殺し屋と、殺し屋
♪危険な殺し屋
文化祭1週間前。
最後の週、私たちの劇の練習が始まった。
しかし。
「澪鵺…?
練習しないの?」
「あぁ…ちょっと用事がある。
悪いが、紅羽だけ練習して」
ポンポンと私の頭を軽く叩いた澪鵺は、そそくさと忙しそうに教室を飛び出して行った。
残された私は、澪鵺が降れた髪の部分を、いつまでも触りながら立ちつくしていた。
…どうしたんだろ、澪鵺。
「紅羽。レイは?」
「帰っちゃった…」
「帰った?
…しょうがないな、アイツも」
何故か一瞬顔をしかめた恭真が、力なく笑う。
「恭真。
もしかして、何か知ってる?」
「……紅羽は知らなくて良いことだから。
さて紅羽、練習するぞ」
恭真は知紗たちに、机を後ろに下げ、前を開けるよう指示していた。
私は知らなくて良いこと?
恭真と澪鵺が関係しているってことは…。
もしかして、殺し屋関係なのかな?
もう…
意味わからないっ!