続・元殺し屋と、殺し屋
「登録されていなかったんだ」
恭真が言う。
「は?」と再び素っ頓狂な声が出る。
「組織に殺し屋を登録するとき、それは氷さんたち幹部や、俺のような幹部以上の人間が行うんだ。
しかし、ホワイトキャットの場合、登録されていなかったんだ」
「バルシーは、ホワイトキャットに所属していないってこと?」
「いや、所属はしている。
ただ、コードネームと武器以外は登録しないようしているみたいなんだ」
本名を登録しないってこと?
「義務されているわけじゃない。
ただブラックキャットの場合、所属している殺し屋が行方をくらました時に役立つよう、本名や住所、家族構成などの個人情報を登録しているだけだ。
ホワイトキャットは、そういった個人情報を登録していないんだ。
だから、コードネームなどしか出なかったんだ。
ランキングを決める総本部に出す殺し屋の情報も、組織が管理している情報を渡すからな。
総本部が情報を登録するわけじゃない」
なるほど。
登録されていないものは、どうやってもハッキング出来ないね。
「きっとハッキングされないよう登録していないんだろう。
殺し屋の中には、殺し屋に復讐するために殺し屋になった奴もいる。
本名や住所を知り、直接自宅に乗り込む奴もいるからな」
「俺も一応、紅羽の住所や家族構成は知っていたよ」
澪鵺は双子の妹を殺した私に復讐するために殺し屋になったもんね。
てか、正体不明の殺し屋か…。
本名もわからないんじゃ、対処のしようがない。