続・元殺し屋と、殺し屋







「…アハハッ!」




突然、私の首筋に刃物を当てる人が笑った。

先ほどの低い声とは違う、高い声。

多分男だと思うけど…。

この声は、声代わりしていないんじゃないかと疑うほど声が高い。

無邪気に公園で遊ぶ少年のようだ。





「アハハ、面白いね玉置さん。
普通は怖がると思うのに!
さすが、元世界一の殺し屋だねェ」




私の後ろにいるから、顔は見えないけど。

楽しそうに口元が綻んでいることは、見なくてもわかる。




てかこの人、私が元世界一の殺し屋・ダークだって、知っている。

つまり、過去の私と会ったことがある人…?

でも私、この声の人に、会ったことない……。




「私のこと、知っているんですね」




思えば澪鵺も、予め復讐相手である私のことを調べていた。

この人も私のことを調べたのかもしれない。

特に焦らず、余裕を見せる口ぶりで、私は話す。





「勿論!
僕も殺し屋だからね。
ダークのことは、皆知っているよ?
それに、ロンリネスであった…神崎澪鵺のこともね?」



澪鵺のことも調べ済みか。

つまり、そこそこ出来る殺し屋かな?



まぁ、殺し屋ランキングで最下位スレスレの殺し屋が、元でも世界一の殺し屋に近づくはずない。

この人のランキングは、最低でも10位以内だ。

そうじゃないと勝てる相手じゃないこと、わかるはずだから。







< 164 / 308 >

この作品をシェア

pagetop