続・元殺し屋と、殺し屋
「…あなたの正体、もう澪鵺と恭真は掴んでいるわ」
驚くと思いきや、バルシーは再び喉を鳴らして笑うだけだった。
「そうですかァ」
「驚かないの?」
「予想済みでしたからねェ」
頭良いんだ、羨ましいな。
テストで毎回最下位スレスレの成績の私だから。
その頭の良さ、欲しい…。
なんて呑気なこと考えている暇はない。
今現在も、バルシーは刃物を私の首筋にぴったり当てているのだから。
バルシーが少しでも刃先を動かせば、出血間違いなし。
刺激しないようにしなくちゃ…。
「玉置さんは、知っているんです?
僕が一体、誰なのか」
「知らないわ」
「そうなんですかァ?
玉置さん、お2人に信頼されていないんですねェ」
「そんなわけない」
断言できる。
2人が私を裏切るはずない。
澪鵺は私が愛してやまない彼氏だし、恭真も大事な友達だ。
簡単に裏切られるほど、私たちの絆は浅くない。