続・元殺し屋と、殺し屋
「アーッハハハハハハ!!」
準備室の外にまで聞こえそうなほど、バルシーは笑う。
あの独特な高い声で。
「馬鹿みたいだなァ!
まさか殺し屋が仲間を信頼するなんて。
普通は信じないはずですよねェ?」
「そうかもしれないわね。
でも、私たちは違う。
他の殺し屋と一緒にしないで」
恋もするし、友情も育む。
一匹狼の印象が強い殺し屋とは、違う。
私は友達100人作ることを、諦めていない。
「…だからお前らはムカつくんだよ」
先ほどまでの高い声とは違い、闇のように深い低い声。
ドキッとした。
勿論澪鵺に対して感じるドキッじゃない。
恐怖感からのドキッだ。
「信頼?仲間?愛情?友情?
そんなもの、見えないんだから存在しない。
それなのにお前らは信じてやがる。
…馬鹿じゃねぇの、お前」
「…確かに馬鹿かもね」
でもね。
「見えないから信じたいの」