続・元殺し屋と、殺し屋
♪企み
☆澪鵺side☆
保健室から出る発行書を受け取った俺は、教室に向かっていた。
次の授業は体育だから、早く教室に戻って着替えないといけない。
「…アハ。見ィ付けたァ!」
子どものように高い声を聞き、俺は振り向く。
そこには三日月のように口元を歪めた、月宮銀がいた。
普段、教室での月宮とは全然違う。
月宮はイケメンと評判で、クール王子と一部の女子からの人気を誇っている。
常に無表情で喜怒哀楽を表に出さず、声もどちらかと言えば低めだ。
…それなのに。
目の前の月宮は、全然違う。
笑みを浮かべながら「クックックッ」と喉を鳴らして笑っている。
いつもの月宮からは…全く想像がつかない。
紅羽がわからなかったのも…納得だ。
「…バルシー、だな?」
「そぉだよ。
僕が危険な殺し屋…バルシーだよ。
君が…ロンリネスだね?」
「今は違うけど、な」
アハハ、とバルシーは笑う。
…一体何が楽しいんだ?