続・元殺し屋と、殺し屋
♪文化祭3日目
疑問を残し、真相のわからぬまま。
…運命の、文化祭3日目を迎えた。
劇の方は、大丈夫だと思う。
緊張はするけど、相手が澪鵺だから。
きっと…大丈夫。
安心できる。
「紅羽」
澪鵺が台本を熱心に読みこんでいるのに和んでいると、恭真が来た。
「紅羽は最後まで台詞覚えていなかったな」
「え?
でも最後には覚えたでしょ?」
「だから頑張れ。
何かあったら、レイが絶対フォローしてくれるから」
「うん…」
「あと、バルシーのことは気にするな」
「うん……」
心配も正直ある。
劇の最中に来たら、劇どころじゃない。
だって向こうは、私たちが殺し屋であることを知っているんだから。
公にされるわけには…いかないから。
「一応一般人の中に、殺し屋を紛れ込ませた。
何かあったら、ソイツらがどうにかするはずだ」
良かった、と安心したのも束の間。
恭真が渋い顔をした。