続・元殺し屋と、殺し屋
「ただ相手は、世界一の殺し屋…。
普通の殺し屋が敵う相手じゃないんだよなぁ…」
あ…そうだ。
逆に勝てたら凄いよ。
「死人は出さないようにはする。
…もし出たら、その時は…生徒会で何かするしかないな」
そっか。
3日目最終日である今日は、生徒会が閉会式で挨拶をする。
その時までにもし死人が出たら…。
絶対と言って良いほど、パニック者が出る。
パニック状態に陥った生徒を救えるのは…先生じゃない。
先生なんだろうけど、一応生徒会の出番もあるはずだ。
生徒の気持ちがわかるのは、生徒会だから。
「劇の最中は劇に集中しろ。
…俺は月宮を見張っておくから」
言った通り月宮くんの所へ向かおうとする恭真を、私は止めた。
「待って恭真。
…気になることがあるの。
きっとお客さんの中に氷さんがいるはずだから。
聞いてきてもらえないかな…?」
「…わかった」
澪鵺にも言っていない、私の疑問。
調べられるのは…私を殺し屋の道へ案内したハッカー・氷さんだけ。
「聞いてくる」
恭真は急いで、楽屋を飛び出した。