続・元殺し屋と、殺し屋
私の告白に、バルシーだけじゃなく澪鵺も驚く。
「月宮銀色…?
月宮銀の双子の弟だと…!?
どういうことだ……」
「私、澪鵺から月宮くんがバルシーだって言われても、信じられなかったんだ。
だって月宮くんは、冷静で喜怒哀楽を表に出さなくて、声も高くない。
しかも、澪鵺が初めてバルシーに出会った時、月宮くんは私と一緒に体育をしていた。
そんなの、可笑しいんだよ。
でも私も澪鵺も、月宮くんの顔を間違えるはずない。
だってクラスメイトだし、文化祭実行委員として月宮くんは頑張っていたもの。
月宮くんの顔が2つ。
そこから考えられるのは…双子って説だよ」
恭真に頼んで、氷さんに調べてもらったこと。
それは、バルシーについてじゃない。
月宮銀の家族について調べてもらったんだ。
そこで発覚した。
月宮銀には、双子の弟がいたことを。
その弟―――月宮銀色は、事故で死んでいると書かれていた。
その説を信じてしまうと、月宮くんの顔が2つあったことの事実には繋がらない。
そこで私は考えたのだ。
月宮銀の双子の弟・月宮銀色は生きていて、彼こそがバルシーなのではないか、と。
そしてもしかすると…
月宮銀自身も、弟が殺し屋バルシーだということに、
気が付いていたのではないか……と。