続・元殺し屋と、殺し屋
「…アキラ」
「何?」
「僕…殺し屋になる。
この世界を…壊したい……」
アキラはふっと笑った。
それから僕は今まで、殺し屋として生きてきた。
黒い感情を消さなければ、いくらでも人生は転落出来た。
何度も何度も人を刺し、その命を奪って来た。
殺している最中に思い浮かぶのは、嫌な記憶ばかり。
一緒に公園で遊ぶ銀と僕。
それを優しく見守る父親と母親。
離れたくない、と泣き叫ぶ僕ら。
そんな僕らを怒りながら引き離す身勝手な両親。
どこまでも僕の乗る車を追いかける銀。
新しい、お酒の匂いが漂う母親。
毎晩のように聞こえる、体を重ねる声。
アタシを置いて行った、と呟き続ける母親。
アンタさえいなければ、と僕を殴る母親。
泣き叫ぶ僕を見ながら聞こえる、狂った笑い声。
助けて、と言う僕を見ながら通り過ぎる人々。
容赦なく僕の体から体温を奪う、雪。
幸せそうに笑う、父親とその家族。
一瞬にして真っ赤に染まる部屋。
僕から溢れて止まらない、鮮血。
許せない。
許セナイ。
何で、僕ばかり。
僕ばかり、不幸になるんだ。
何で銀は、
あんなに幸せそうになるんだッ……!
「うわあああぁぁぁぁああッ!!!」