続・元殺し屋と、殺し屋
「「…行こう」」
ザッと地面を蹴り、走ってくる月宮くんたち。
澪鵺は素早く、私の体を押した。
バランスを崩した私は、地面に倒れる。
「澪鵺!澪鵺!!澪鵺ッ!!!」
澪鵺は襲ってくる2人のナイフを、木の棒で器用にその行き先を止めていた。
「澪鵺!
駄目だよ、すぐに棒を離して!!
澪鵺が、退学になっちゃう!!!」
そんなこと、嫌だ。
ずっとずっと、澪鵺と一緒にいたい。
いつまでもずっと、澪鵺の隣にいたい。
私は以前澪鵺からもらった指輪を、ポケットから取り出した。
アクセサリーをつけるのは校則で禁止だから。
私はそれを、ギュッと両手で包み込むように握った。
指輪の冷たい感覚がする。
澪鵺、私に言ったよね?
この赤いハートのついた指輪を、高校卒業したら、左手の薬指にはめてほしいって。
それって、プロポーズなんでしょ?
結婚して、一緒にいようって意味なんでしょ?
ならさ…
一緒にいようよ。
私、澪鵺と一緒にいたいよ。