続・元殺し屋と、殺し屋
カナは電車通学。
今の時間は、帰宅ラッシュの真っ最中だ。
正反対の総司は、帰りにこれを使うんだと思うと、悪い気持ちでいっぱいだ。
「良いの?」
「何が?」
ギュウギュウおしくらまんじゅうのような混み具合の中、総司に尋ねる。
幸い総司の周りにカナ以外の女の人はいない。
「帰りも乗るんでしょ…?」
「そうしないと帰れないじゃん」
「そうだけどさ…。
帰りもこんな混み具合なんだよ?
…嫌だ、とは思わないの?」
「別に」
即答された…。
総司って…やっぱり優しい……。
「女の人も…いるかもしれないんだよ?」
総司にとっては地獄のはずじゃ……。
「…あのさぁ」
総司は溜息交じりに呟く。