続・元殺し屋と、殺し屋
数分後、カナの降りる駅に到着した。
大きめの駅なので、降りる人はかなり多い。
そのため、乗る人も多い。
乗る人の渦に飲み込まれそうになったけど、総司がカナをつれて降りてくれた。
総司がいなければ、隣駅まで行くところだった。
「ありがと」
「お礼言うのはまだ先。行くよ」
「え?家まで送ってくれるの?」
「ん」
スタスタ総司は改札に向かって歩き出す。
それをカナは追いかけた。
「ありがと。送ってくれて」
カナの家の前で、カナは手を振る。
「別に気にしないで良いヨ。
オレが送りたくて来たんだから。
しかも、今日だけじゃないし」
今日だけじゃない?
「これから1週間、遅くなる日は送るよ」
「え!?
悪いから良いよ!」
「どうせ家に帰ってもやることないし。
こんな夜道を花菜1人で歩かせる方が怖いし」
「総司…」
「じゃ、また明日」
ヒラリと手を挙げ、総司は再び来た道を戻る。
「ありがと…総司……。
……大好き………」
久しぶりに言った、“大好き”。
…こんなにも、ほっとする、優しい言葉なんだ。