続・元殺し屋と、殺し屋
『昨夜遅く、××さんが××通りで殺害されているのが、近所に住む住人によって発見されました』
無意識のうちに、食パンを齧る口が止まった。
殺人事件。
私が殺し屋をしていたころ、よく私が殺した人のニュースがやっていたな。
テレビは見ていなかったけど、学校で連続殺人鬼ダークのことは皆話していたから。
私は殺しをした後、ターゲットの体の上に、ダークと書かれた名刺みたいなものを置いて行ったからね。
連続殺人鬼ダークの話は、かなり有名だ。
『その傍には近所に住む男子高校生が血まみれで倒れており、病院へと搬送されました。
男子高校生は手首、手、肩など切られており、犯人にやられたものだとして、捜査を続けています。
尚男子高校生は、今も眠り続けているということです』
そこまでキャスターが言った所で、天気予報へ変わる。
見終えた私は、鞄を持ち、玄関へ向かった。
手には、食べきれなかった食パンを持ちながら。
「行ってきまーす」
ガチャッ
ドンッ!
え?
行こうとして扉を開けて聞こえた、鈍い音。
ゆっくりと私は、顔を扉から覗かせ、音の正体を確かめることにした。