続・元殺し屋と、殺し屋
☆謎な先輩
☆☆☆
総司は言った通り、次の日・火曜日も送ってくれた。
そして今日は水曜日、練習3日目。
台詞は完全に覚えられたし…。
あとは振りを付けるだけ。
「花菜台詞覚えるの早いな…」
総司が台本を見ながら聞く。
「キャットにいた頃、かなりメンバーいたからね。
名前とか覚える機会も多くて、記憶力が良くなったんじゃないかな?」
「なるほど。
オレも花菜に負けないよう、台詞覚えなくちゃなァ」
…正直、総司に必要なのは、台詞より振りだと思うけど。
だって、抱きしめあうシーンとかどうするわけ?
総司がカナと付き合っていることは公認だから、キスシーンも「やれやれ」言われている。
…神崎は「やれ」とも言わないし、「やるな」とも言わない。
神崎だって、総司のこと知っているはずなのに。
「…総司クン?」
廊下から聞こえた声。
このクラスの人の声じゃない。
教室に残っていた人、全員が廊下に視線を向ける。