続・元殺し屋と、殺し屋







玄関へ入ると、総太さんがスリッパを人数分用意していた。

皆は口々にお礼を言って履くけど。

…カナは、違和感を感じていた。




「どうしたの花菜ちゃん」

「あ…いえ……」

「花菜ちゃん、記憶力良いね」

「え?」

「前に花菜ちゃんが来た時、スリッパ出さなかったもんね。
確かに、普段は出していないよ」

「え?じゃあ何でですか?」

「…んー……。
怪我されると…困るからね」




ふっと意味ありげに笑った総太さんは、立ち上がる。

総太さんも、スリッパを履いていた。

しかしそのスリッパは、所々穴が開いている。




「奥へどうぞ。
家には客間と言うのは存在しないからね。
…ちょっと…いや、かなり汚いけどね。
怪我とかしたら、すぐに言って?」




ふと総太さんの右腕に視線が行く。

右腕の袖からは、痛々しい包帯が見えていた。




「これでも片付けたんだけどね…」



前に来た時は開いていたリビングへ続く扉。

総太さんは、閉まっている扉を開けた。







そこには、

驚きの光景が広がっていた。











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