続・元殺し屋と、殺し屋
「これ…どうしたんですか?」
こんな地獄絵図みたいな場所…。
カナは、見たことない。
「総司がやったんだよ」
半ば予想していた答えだった。
総太さんがやるはずないし。
この家には2人しか住んでいないから、総司しかあり得ない。
「総司が、全部やった。
僕のこの傷、これも総司」
そっと右腕の包帯に触れる総太さん。
「大丈夫ですか…?」
「止めようとして、総司の持っていた包丁で切られた。
傷もそんなに深くないから、心配しないで良いよ」
「…良かった」
「そういえば僕、自己紹介していなかったよね。
僕は久保田総太。
総司の兄です、初めまして」
「「「「初めまして」」」」
おぉ、4人息ピッタリ。
「総司から皆のこと、聞いています。
総司と修学旅行の時同じ班だったんだってね。
総司、楽しそうに話していたので。
それ以外にも、皆の話題は出てきますよ。
クラスでも特に仲良いみたいで。
ま、1番出てくるのは、花菜ちゃんだけどね」
ふふっと総太さんは笑う。