続・元殺し屋と、殺し屋
「確かにそうですね。
逢沢さん、どうですか?」
クラスメイトの視線が一斉にチサに集まる。
一瞬驚いたけど、断れる雰囲気じゃないのはチサでもわかっていて。
躊躇いがちに頷いた。
…本当はやりたくないけどさ。
やらないと駄目な雰囲気じゃん、これ。
実行委員の月宮も、「やれ」と言うオーラが漂ってきているし。
「じゃ、ナコ役は逢沢に決まりだね。
次はライ役だけど…」
フフンッという勝ち誇っような笑みを静かに浮かべる月宮。
誰も気が付いていないみたいだけど…。
月宮って、案外腹黒?
「俺やります」
スッと1列挟んだ列の後ろから2番目の人の手が上がる。
…恭真だ。
えええぇぇぇぇええ!?
恭真が、ライ役立候補!!??
「俺にライをやらせてください」
「俺以外は認めない」と、恭真の月宮への視線が物語っている。
月宮も察したのか、小さくバレないよう溜息をついた。