続・元殺し屋と、殺し屋
☆恭真side☆
知紗を自宅まで送り届け、俺はスマホを取り出した。
『どうされました?』
「いつもの場所に行くから」
『かしこまりました』
俺が殺し屋組織ブラックキャット17代目ボスってことは、裏社会では有名で。
たまに命など狙われる場合があるから。
学校終わりなどは本部に電話をかけ、迎えに来てもらう場合が多い。
お父様は仕事で忙しいだろうから、俺専用の運転手がいる。
“いつもの場所”とは学校前。
知紗の家は学校から近いから。
運転手も学校の場所は知っている。
学校前に着いても、まだ車は来ていなかった。
そのため、寒空の下周囲に警戒しながら待っていると。
…後ろから、足音が聞こえた。
咄嗟に振り向く。
護身用にスタンガンは持っている。
「…え?」
暗い夜道から現れたのは、関島早苗だった。
…知紗の従姉妹が、何故ここに?