続・元殺し屋と、殺し屋
「…知紗が良いと言ったから……。
聞くだけは聞いてあげる」
仕方なく、と言った感じに恭真は溜息を吐く。
新野くんは笑った後、お願いを言った。
「逢沢さん、お願いします。
1日だけ、僕とデートしてくれませんか?」
「却下だ却下。知紗行くぞ」
即答で恭真は言い、再びチサの手を引っ張る。
「待って恭真!」
「何だよ知紗。
もしかして、新野が気に入ったのか?」
「そんなわけないでしょ。
あたしは恭真一筋だよ」
新野くんもいるので、恭真の前だけどあたしを使う。
慣れないなぁ。
「新野くん、聞かせて。
何で1日デートにあたしを誘ったの?」
「僕、逢沢さんのことを好きになってから、逢沢さんのことばかり考えちゃうんです。
でも逢沢さんには小松くんがいるでしょう?
諦めないといけないって何度も思ったんですけど、忘れられなくて。
でもそれじゃあ逢沢さんに迷惑がかかるんで、僕なりに考えたんです。
そして思いついたのが、逢沢さんと1日デートをして、逢沢さんのことが好きだったことを過去の良い思い出にしようと考えたんです。
小松くんには悪いんですけど、逢沢さん、1日だけ僕と付き合ってください。
1日だけ、小松くんだけじゃなくて、僕のことを好きになってください。
そうしたら僕、逢沢さんのことを忘れて生きて行けると思うので!」
なるほど…。
だから1日デートなのか……。