続・元殺し屋と、殺し屋
*1日デート
次の日の放課後。
怒り気味の恭真にゴメンネを言い、チサは校門を出た。
するとすでに新野くんがいた。
「あ、逢沢さん!
わざわざありがとうございます!」
「今日だけだからね?」
「わかってます!
あの、色々僕から我が儘言っても良いですか?」
「何?」
「まず、僕…逢沢さんのこと、知紗って呼んでも良いですか?」
「…今日だけね」
「じゃ次に、僕のこと、大地って呼んでください」
「特別だよ」
「ありがとうございます!」
90度を描くように頭を下げた新野くん―――改め大地に向かって、チサは言う。
「大地、あたしからもお願いして良い?」
「何ですかっ!?」
「敬語使わなくて良いよ」
「…そう?」
「うん。同い年でしょ?」
「…ありがと、知紗」
「じゃ、行こうか。
…て、どこ行くとか決まっているの?」
「勿論。
おれについてきて」
へぇ…大地、本当の一人称はおれなんだ。
てか今日、ずっとあたしって言い続けなくちゃな……。
めんどくさいけど、今日だけだから。
我慢しろ、チサ!