Spise・Love〜私が歩いた道〜

決意を強引に心に決めて、今リビングのドアノブに手を掛けたまま固まって居る。

聞きたくないっていう反面、聞かなければいけないっていう感情がぶつかり合って居る。

でも、最終的に決めたのは聞くって方法。だから今、ドアノブに手を掛けてる。




なかなか前に進めない。リビングの中に皆居るのは分かってるけど、前に進めない。

やっぱり聞きたくない。でも…美優はゆっくりドアを開けた。




家族皆美優に目を向けて、優しい笑顔を向けてくれる。そんな光景に涙ぐんでしまう。

もう後戻りなんて出来ないんだ。もうこんな光景や、生活が出来ないんだ。家族と一緒にいられないんだ。




そう思うと、美優の中から温かいモノが溢れ出してくる。

皆が見てるのに、どうしてこんなところで涙なんて流してるの?

皆に心配かけちゃうよ。早く止まってよ。美優の涙。止まってよ。

最初に気づいたのは、お母さんで美優をそっと抱きしめてくれる。

こんな温もりも、もうない。

< 107 / 136 >

この作品をシェア

pagetop