Spise・Love〜私が歩いた道〜
「ねぇ…お母さん?」
「なに?」
「変質者って…齋藤なんでしょ?…」
「………」
「齋藤…なんでしょ?」
お母さんは黙って、また美優をギュッと抱きしめた。
「美優が気にすることじゃないのよ。美優はずっとこうしてればいいの。何にも心配なんてしなくていいのよ。」
その言葉に思わず甘えそうになる。甘えたかった。甘えて甘えてずっとこうしたいよ。お母さん…
でもね、それはきっとダメなんだよ。
ここで美優が選んだ道がいけない道だったとしても分からない。
だけど、美優は皆が大好きだから。大好きだから。美優は行くべき道を行かなきゃね。
「お母さん?お母さん…」
「ん?なに?」
「…ごめんなさい。ごめんなさい。」
「どうして美優が謝るの?」
「ごめんなさい。」
美優は何回も何回も謝った。多分"ごめんなさい"に含まれてる意味は、お母さんは知らない。
いろんな意味、感情が混じり合って、言葉に出来ないのをまとめた言葉が、今の美優にとって…"ごめんなさい"なんだ。