Spise・Love〜私が歩いた道〜


――――――………



「高瀬さん!頑張って下さい!もう少しですよ!」

「ハァ……、ハァ…」

「踏ん張って!」








"オギャア…オギャア"




「おめでとうございます。元気な女の子ですよ。」

汗と涙で曇った瞳の向こう側で、赤ちゃんが元気よく泣いているのが分かった。

看護師さんが、赤ちゃんを美優の側まで運んできてくれた。







小さくて、小さくて…
しわくちゃの赤ちゃんは、とっても可愛いかった。

この子が私の子…?






赤ちゃんが生まれるってこんなに素敵なことなんだと…初めて実感した。







「美優…?」

愛しい人が私の頭を優しく撫でた。





ねぇ…神様。

私にこんな幸せを与えてくれて、ありがとう。

意地悪だなんて思っていて、ごめんなさい。

きっと、過去があったからこそ今の幸せがあるんだよね。





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