Spise・Love〜私が歩いた道〜
優しい笑顔のおばさんの家族に包まれ、思わず安心感で涙が出そうになった。
でも、涙をおしこらえ、お腹いっぱいにご飯を食べた。
「ごちそうさまでした。」
「美優ちゃん、いっぱい食べるわね。これじゃ、竜や慶太より大きくなるわね。」
そう言ってアハハと笑うおばさん。
私もこんな家族だったら…こんなふうにならないで、笑って幸せに暮らせていたのかな?
「美優ちゃんは、今日からここの家族よ。竜、慶太仲良くしなさいね。」
「うん」
「おう」
二人は当たり前の様に返事をしてくれた。それが単純に嬉しくて、ポカーンという顔をしてしまいそうになる。
だってビックリしたから。この位の歳の子が、こんな美優を受け入れてくれるとは思わなかったから。
この子達も知って居るんだ。美優がきた理由を。
美優が辛い思いをしないように、気を使ってくれたおじさんや、おばさん、それに竜君、慶太君…素直に感謝の連続だった。
「ありがとうございます。」
「なに言ってるの!私たちは家族でしょ。」
"家族"…
おばさんから出た言葉に、美優はこらえられそうにない、温かいモノが流れだしそうになった。
そう言ってくれるおばさんは、本当の家族の様で、素直に嬉しかった。
お母さん、こんな場所を私にくれてありがとう…。