Spise・Love〜私が歩いた道〜
食べ終えて黙って座って居る美優は、おばさんに声をかけられた。
「美優ちゃん、こういう事は家族皆で知っておかなくちゃいけない事だと思うの。」
「え…?」
一瞬なんの事か分からなかったけど、直ぐにわかった。きっと美優がここに来た訳と、今後の事についての事だと思った。
「美優ちゃんは、話さなくて良いわ。でも、ちゃんと聞いといてね。」
そう言っておばさんは、家族をリビングに呼び、それぞれ座らせた。
この場を見ると、もしかしておばさんが一家の中心なのかもしれない。
「竜、慶太…前言った事覚えている?」
「うん。美優ちゃんがいつか俺達の家族になるかもしれない。だろ?」
「そうよ。竜、よく覚えてたわね。そのいつかが今日来たのよ。」
「美優ちゃんが、俺達の家族になったって事?」
「そうよ。慶太。
慶太は美優ちゃんより2つ上だから、慶太は美優ちゃんの妹になるの。
竜は美優ちゃんと同じ歳だから…そうね、双子ってとこかしら。」
「ふぅーん。じゃ、よろしくな。あっ!兄ちゃんって呼べな?
竜のヤツ、俺の事兄ちゃんじゃなくて慶太!って名前で呼ぶんだ。まったくしつけがなってねーな。」
そう言って、またおばさんみたいな優しい笑顔を美優に向けてくれた。