Spise・Love〜私が歩いた道〜
壊れた家族
「ギャー―――!!」
毎日の様に大好きな、お母さんの悲鳴が聞こえてくる。
美優は幼いながらも、お母さんの危機を間近で感じて居た。
物が壊れる音、お父さんがお母さんを殴る音、お父さんの怒鳴り声、お母さんの悲鳴…
これが当たり前のように、毎日美優の耳に入ってくる。
まるで、誰かがわざとテープで何回も再生しているように。
美優は、お母さんをかばうことも、お父さんを止めることも出来なかった。
怖くて、悲しくて、何がなんだら分からない。
ただ毎日耳をふさいで布団に潜り込んでいることしか、幼い美優にはできなかった。
お母さんが死んじゃうんじゃないかって、次は自分かもしれないかって、怯えながら過ごす。
そんな日々の事だった。