Spise・Love〜私が歩いた道〜
話し合いにならなかったけど皆が寝静まる頃、おばさんは二階に美優を連れて、一つの部屋の前に止まった。
「じゃぁ、美優ちゃんの部屋はここだからね。」
おばさんに言われて、ドアを開けて部屋に入ってみる。
八畳位の広い部屋に、女の子らしい、机や本棚、ベッドがある。女の子が居ないこの家に、こんな女の子の部屋があるのは不思議だった。
きっとおばさんは分かっていたんだろう。美優が来ることを。そう感じた。
それにしても、こんな広い部屋…美優が1人で使ってもいいのかな?
美優には少し大きすぎるかもしれない。
「こんなに広い部屋、私が使ってもいいんですか?」
「勿論よ。だって美優ちゃんの為に作ったんだもの。遠慮せずに使って?」
「ありがとうございます。」
「あっそうそう。明日ちょっと役所に手続きしてくるから、その後制服とか買いに行こうね?」
美優は地元の卒業式をする前に、ここに来てしまった。だから今は、ちょうど卒業式の時期になる。
おばさんは、中学に入る為の制服を買いに行こうと言った。