Spise・Love〜私が歩いた道〜
「お母さん…お母さぁーん!」
いつもの様に、お母さんがお父さんに暴力をふるわれて、また一つ、一つと深い傷ができていく。
それをかばう様に、美優はお母さんを包みこむ。美優は、自分なりにお母さんを守っている。
お父さんの暴力が、お母さんの体を、心をこれ以上傷つけさせない為に。
お父さんのキリっとした、目が美優に向けられた。今度は美優のばん…
あの目つき…まるで飢えに苦しんだライオンが獲物を捕らえる瞬間みたいな、そんな目。
腹を蹴られ、苦痛に耐える美優。そんな美優を、今度はお母さんが美優を包みこむ。
2人はかばい合う様に、寄り添って。お父さんの気がすむのを静かに、苦痛に耐えながら待つ。
「……痛…い…」
"痛い"これを言うのに、とてつもなく勇気が必要だ。
いや…勇気が必要と言うより、言ったら殺されてしまう…
歯をくいしばって耐えるしかない。
"苦しいよ…""痛いよ…"
お母さん…お父さん…
――――…………
「美優ちゃん!美優ちゃん!」