Ｓpise・Ｌove〜私が歩いた道〜

体が誰かに揺らされる…誰…？目の前が真っ暗になって、光がうっすらと瞼の上からうつし出される。




｢…おばさん？｣

｢そうよ。大丈夫？美優ちゃん？｣

｢…え？｣

自分の手で、顔を触ると濡れていて、涙を流していた事が分かる。

さっきのは夢？
毎日の様に当たり前の光景だった映像が、まさかこんなところにまで来て、映し出されるとは思わなかった。

｢あんまりにも起きるの遅いから、起こしに来たら魘されてたから…怖い夢見た？｣

｢…。｣

これからこの夢に毎日、魘されるようになるのだろうか。

やっとアイツとの悪夢のような毎日から抜け出したと言うのに…本当に悪夢になってしまった。

｢…そう。そっかそっか。｣

おばさんはそう言って美優をギュッと抱きしめてくれた。美優もそれに答えて、おばさんにギュッってして、温もりを貰った。




｢お腹空いたでしょ？お昼ご飯食べよっか？｣