Spise・Love〜私が歩いた道〜
おばさんが用意してくれたお昼ご飯を食べる。
「美味しい。」
「そう?そう言ってくれると作りがいがあるわ。ありがとう。
じゃぁ、食べたら…制服買いに行こうか?」
「はい。」
「じゃぁ、ちゃんと味わって食べてね。」
食べ終わった美優は、さっきの悪夢を思い出さない様に、キュッと目を瞑って、素早く洋服に袖を通した。
まだ見知らぬ道を、おばさんと肩を並べて歩く。
ここはね…
っと、おばさんが丁寧に一つ一つの事を教えてくれた。この町は案外良いところなのかもしれない。自然が沢山あって、心地よい。
老後はここに住みたいと思うほどだ。
私が来月から行く中学校は、おばさんの家から程遠くない場所にあった。
「竜と慶太と行き帰り一緒に行けば、美優ちゃんは安全ね!」
「そうですね。」
「美優ちゃん、家族なんだから敬語は辞めてちょうだい?」
「あっはい。あっ…うん。」
クスクスとおばさんは笑って、また優しい笑顔で笑ってくれた。
「その内慣れるわよ。」
そう言って。