Spise・Love〜私が歩いた道〜
「何?」
「そんなに、嬉しそうに来て…出遅れたんだろ?」
「うっ…うん」
図星を言われて、恥ずかしい。
「まぁ、そのうちだよ。そのうち。」
「そのうち?」
「そっそのうち。」
首を傾げて見せると、それを笑ってスルーした慶太は
「おい!竜」
って言って、教室の中の生徒が一斉に目を向けた。
あれ?そんなに注目する程の声のトーンじゃ無かったのに、どうして皆一斉に慶太を見たんだろう?
もしかして…美優、耳が悪いのかな?
「あっ!慶太だ!なに?」
「なにじゃねーよ。」
「はいはい。」
「お前ちゃんと美優見てろよ。」
「はいはい」
面倒くさそうに言う竜を見て、少し心が苦しくなる。
「いいよ!竜だって、仲の良い子とか居るんだし!私の事は構わないで?」
「だってよ。」
「じゃぁ、また帰りな?」
そう呆れて、慶太は行ってしまった。
席に戻ろうとすると、周りの女子ね視線がやたら気になる。
顔をポテッと赤く染めて、慶太が去って行った教室の外を見ている。
そういうことか…慶太モテモテだね…。
って事は美優は耳が良いってことだ!良かった良かった。