Spise・Love〜私が歩いた道〜
不機嫌な美優に、
「美優?」
聞き慣れた声が聞こえた。
「大丈夫か?」
本当はそんな事思ってないクセに、竜はニヤリと笑って言った。絶対にまた面白がっている。
「大丈夫。」
美優もニヤっと笑う。
「だいたい誰のせいで、こんな事になったと思う?」
笑いながら美優は、竜をからかう。
美優が竜をからかうなんて、100年早いかもしれない。そんな事分かっているけど、構わずにはいられない。
だって、面白がっている竜が少しムカついたから。
「美優だろ?それに、俺をからかうなんて1000年早い。」
ほらね。でも、0が一個増えたし…
「分かってますよ。」
呆れた口調で言ってやった。目上目線でね。
そんな会話をしている間でも、ヒシヒシと熱い視線が伝わってくる。
そんな視線に気づいているのかどうか、竜の表情は全く変わらない。
何を考えているのか分からない
ただ分かるのは、悪知恵を働かせていることかな。なんて。
「何を考えてる?」
ちょっと知りたかった。ほんのちょっとだけ。
あの子達をどう思ってるか。