Spise・Love〜私が歩いた道〜

その"何か"ってなんだろう?美優の中で飛んでいったモノ…それは多分"偽り"だったのかもしれない。




本当は心から笑って、素直になって居なかったのかもしれない。

まだ上手く笑えない自分の顔に、無理やり仮面を被せていたのかもしれない。

そして美優は"つもり"だったんだ。仮面を被せて本当に心から笑っているつもり。そんな感じ。




心から笑ってない事を竜は知っていて、美優は自分の事なのに知らなかったのかな。

変なの。自分じゃない他の人の方が、自分の事を知っているって。見透かされているみたい。




でも、その見透かされて居る人が竜でよかった。

もし、違う人に自分が見透かされているって分かったら、怯えてしまうかもしれない。恐怖で震えていたのかもしれない。


美優の過去を知られることは、今の美優にとって残酷な事だから。

美優の過去を知らなくても、心を抉り返されそうで怖い。

竜が傍に居てくれてよかった。改めてそう思う。勿論、慶太も。おばさんもおじさんも。




こんなに幸せな家族は、美優をすんなりと優しく受け止めてくれて、いまでも優しく見守ってくれている。

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