Spise・Love〜私が歩いた道〜
美優達は数少ないきれいに並んだ服を、真剣に見て美鶴と可奈と別れた。
「また明日ね!」
「うん!バイバイ!」
帰り道、家路を歩いていたら、1人のどろだらけになった男の子が、ボールを大事に持って走っていた。
この辺に公園…あるんだっけ?
男の子が来た道を引き換えして行くと、そこには町中が見渡せる公園があった。
公園のフェンスの下は、まだ賑わいのあるさっきまで居た商店街の声が響いてくる。
町中がオレンジ色の夕焼けに、染まっている。
きれい…
素直にそう思う。
初めてきた場所なのに、何故か落ち着く。
キー…
振り返えると、2人のカップルがブランコに座っているのが見えた。
幸せそう。いいな。
そんな幸せな光景が、美優を少し傷つけた。逃げる様に公園を去る。
"彼氏…か…"
彼氏ができたら、さっきの公園にいたカップルみたいに、幸せに笑えるのかな?
彼女さん、いい笑顔で笑ってたな。
そんなことを思い、美優は家へ帰っていった。