Spise・Love〜私が歩いた道〜
「お帰り。」
竜とばったり玄関で鉢合わせをした。
「ただいま。出かけるの?」
「ちょっとコンビニ行ってくる。」
「そっか。行ってらっしゃい。」
竜は小走りで行ってしまった。
コンビニあったんだ…
後で場所を教えてもらおうかな。
美優は部屋着に着替えて、リビングで夕食の手伝いをする。
「竜、遅いわね。コンビニに行ってくるだけなのに。」
おばさんが心配そうに言う。
「もうじき帰ってくるよ。」
「そうね。」
「腹ペコ!」
慶太がお腹をさすって、つまみ食いをする。
「ダメ!」
「いいじゃんか!美優、日に日にお母さんに似てきてる!」
「そう?じゃぁ、これからはお母さん二世になるわ!」
「なんだそれ!」
笑い合う。これも幸せの一つだな。なんて実感する。
そして、美優はさっきちゃんとおばさんのことを"お母さん"と呼べた。
その瞬間、おばさんが涙ぐんだのがわかった。
ずっと気にしてたんだと思う。これからは"お母さん"ってちゃんと呼ぶからね。心の中で誓った。