Spise・Love〜私が歩いた道〜
そんなこと無くて良かった。正直安心した。美優の考え過ぎだったのかもしれない。
でも竜が苦しんでいるのは、紛れもなく事実。少しでも力にならなくちゃ。
そうしなくちゃいけない。
朝はいつも通り、慶太と竜と登校して、家に帰った。
丁度夕食が出来ていて、食べてから竜の部屋に行った。
昨日と同じ様に、クッションを抱えて座った。
「竜…話して?」
「…うん。俺…小6の時、尚って言う一つ上の彼女が居たんだ。」
「うん。」
小6で彼女…。凄いな。
確かに私の周りにもカップルはいた。だけど、それはただの仲良しって感じだった。
だけど、竜とその彼女の関係は深い様にも思えた。
「尚にさ、好きな人がいるって言われて俺、振られたんだよな。その好きな人が、俺の先輩の光輝先輩だった。
好きで好きで仕方がなかったのに、ショックだった。
振られて少したった後、尚は引っ越したんだ。
だけど、もう気持ちなんかこれっぽっちも無いんだ。」
「うん。」