Spise・Love〜私が歩いた道〜
ラフ
慶太がお母さんに、適当な言い訳を付けてくれ、
ベッドに疲れた体を身を任せて、夕食を食べずに寝た。
心配してお母さんが部屋をノックしてくれたけど、誰とも話したくなくて、寝てるふりをしてしまった。
「…美優?」
遠くから美優を呼ぶ声が聞こえる、その声がだんだん近くなって、目を覚ますと目の前に竜が居た。
「ごめん。起こした。」
「大丈夫だよ。どおしたの?」
時計の針は12時を回った所をさしている。
「今日、光輝先輩来たんだって?」
「あっ…うん。」
「なぁ、美優が気にする事じゃないんだから、そんな顔すんなよ。」
「…そうじゃないの。
自分が嫌なの。
光輝先輩にあんな事言えないのに、言って自分が憎いよ。苦しいよ。」
半分夢感覚な美優は、現実だとはあんまり感じなくて、夢の中の竜に素直に言葉を並べてく様だった。
「美優が光輝先輩に何を言ったか知らない。だけど、美優がそんな溜め込む必要がないよ。」
「なんで?私は自分に気持ちを押し込めなきゃ皆に迷惑かけちゃうよ。」
「それが皆に迷惑かけてるんだよ、美優?
溜め込むなよ。全部吐き出せよ?」