シオンズアイズ
そ、そんなんでいいのかぁ?

若干の違和感を覚えたものの、両親の意見もそう間違ってはいないと思い、シオンはそれ以上の診察を希望しなかった。

…まぁいっか、痛くもないし、眼も見えてるし。

「…ちょっとシオン、平気?」

トイレの入り口のドアを開けながら、六条香は親友のシオンに声をかけた。

香はシオンの幼馴染で、彼女の瞳の色が変化することを知っている。

「ったく、気を付けてよね」

香は鏡に写った自分の顔を見つめながら、シオンにそう言うと、少し口を尖らせた。

 「なんで香がそんな事言うのよ?」

すると香は、若干イラッとしたように眉間を動かして、シオンに向き直った。
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