シオンズアイズ
「……」

ああ、くそっ!

アルゴは真っ直ぐに香を見た。

「あのまま離れたくなかったんだ、お前と」

ああ、言っちまった!

香は驚いてそんなアルゴを見つめていたが、やがてクスリと笑った。

……全く。

「ファルといいアルゴといい、この国の男はすぐに口説かなきゃ気が収まらないわけ?」

「……っ、なっ?!お前、ファルに口説かれたのかよ?!」

「声がうるさい!しかもファルが口説いたのは私じゃなくてシオン」

アルゴは一瞬ポカンとしてから、

「マジかよ!?あいつ、七色の瞳の乙女を口説いたのか!?」
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