シオンズアイズ
数人が素早く動き、ジュードの落馬を防ぐと、彼の体を抱えて部屋へと運び始める。

「目覚めて落ち着いたら知らせてくれ」

周りの者にそう伝えると、ファルは自室へと急いだ。

……アイーダに、早くシオンの事を聞かなければ。

辛そうなアイーダを自室の寝台に寝かせ、楽な体勢で話を聞こうとしたところに、ジュードとロイザの帰還の知らせが飛び込み、ファルはアイーダを放り出したままであった。

「アイーダ?」

アイーダは、眠っていた。

乱れたキトンの裾から、太股まで露にし、横向きの体勢で、胸がこぼれそうになっていた。

ファルはそんなアイーダの寝姿に一瞬息を飲んだが、静かに踵を返して部屋から出ていった。
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