シオンズアイズ

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「アルゴ、少し馬を休ませましょう。2日間、殆ど休ませずにケシアまで走らせたから、可哀想だわ」

「わかった」

アルゴは、短く返事をすると手綱を引き、馬をとめて地におりた。

それから香を抱いて下ろしてやろうと馬の背を見たが、香は既に自ら飛び降りた後であった。

「ねえ」

周りを見回していた香がアルゴを振り返りながら声をかけた。

「……」

明るい月に照らされた香は女神のようで、アルゴは鼓動が跳ねた。

「聞いてる?まさか、立ったまま寝てるんじゃないでしょうね?」

……そんな訳があるか。
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