シオンズアイズ
「聞いてる」

「この辺に泉か何かない?体を洗いたいわ。あなたもドロドロだし」

「俺は……男だし平気だ」

「私が嫌なの」

若干イラついたように、香がすぐさま返事を返す。

「一緒に馬に乗るのよ?それに今日一緒に寝るのに汚れてる男となんて、嫌よ」

な、な、な、何だと?!

アルゴはアタフタとしながら香を見た。

「待て、お前、俺でいいのか?!」

「は?あなたしかいないじゃない」

「お前は……娼婦なのか?その、簡単に今日会ったばかりの男と……」

香がアルゴをキッと睨んだ。
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