シオンズアイズ
自分が何度も何度も生まれ変わりながら、七色の瞳の乙女を守ってきた事を。

それが自分の存在の意味であり使命であるのだ。

けれど何故、輪廻転生し続けているのを覚えているのかと聞かれても、答えようがない。

最初はみんながそうなのだと思っていたが、ある時、その事について話し出すと、不思議そうにされたり、気味悪がられたりしたのをきっかけに、他人と自分が違う事に気付いた。

それ以来、誰にも話していない。

「…香?」

シオンは、急に黙り込んだ香に声をかけた。

「さ、帰ろ」

香はうんと言いながら、急に空気がヒヤリとするのを感じた。

久々だったが、気配を感じたのだ。

集中しようとして、無意識に眉を寄せた。

誰かが…シオンを狙っている。

七色の瞳の乙女を。

香は天井に眼を向け大きく息を吸い込んだ。  
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