シオンズアイズ
……シリウスをピッタリと援護していた、あの冷たい海のような眼の男。……多分あの男が、カイルだ。

「今すぐ助けにいく!」

「落ち着いて、ファル」

「落ち着けるかっ!」

シオンが……怪我を負ったシオンが、男と同じ部屋で監視されてるだと?!

香はファルのマントを掴んだ。

「ここで安易に動くと、あなたは死ぬ。そうなったら、シオンはどうするのよ!?」

ファルは黄金色の瞳に、拭うことの出来ない焦りの色を浮かべたまま香を見つめた。

「このまま、このリアラで手を子招いていろと言うのか!?」

「今は動く時じゃないと言ってるだけよ。策を練らなきゃ負ける」

アルゴが一歩進み出て、ファルを見つめた。
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