シオンズアイズ
奪還に向けて
◇◇◇◇◇◇◇
リーリアス帝国国王ダグダは、思案していた。
一番の腹心で軍師でもあるアジュールに、目を閉じたまま問い掛ける。
「アジュール、お前の意見は」
アジュールは、テーブルの上に両肘をつき、左右の指の腹同士をくっ付けて、そこに出来た空間を見つめながら口を開いた。
「ケシア奪還を早々に」
最北の都ケシアに白金族人間が攻め込んできた時、ダグダは既に帰還の途についていた。
同盟国で友好関係にあるニア帝国と、白金族人間の国であるアーテス帝国との小競り合いを見過ごせず、加勢に出掛け、無事にアーテス軍を退けた7日後の出来事であった。
伝令係がダグダに追い付いた時にはもう、引き返して加勢するのは、恐らく不可能であった。
ダグダは頷いてから南側の中庭に眼をやった。
リーリアス帝国国王ダグダは、思案していた。
一番の腹心で軍師でもあるアジュールに、目を閉じたまま問い掛ける。
「アジュール、お前の意見は」
アジュールは、テーブルの上に両肘をつき、左右の指の腹同士をくっ付けて、そこに出来た空間を見つめながら口を開いた。
「ケシア奪還を早々に」
最北の都ケシアに白金族人間が攻め込んできた時、ダグダは既に帰還の途についていた。
同盟国で友好関係にあるニア帝国と、白金族人間の国であるアーテス帝国との小競り合いを見過ごせず、加勢に出掛け、無事にアーテス軍を退けた7日後の出来事であった。
伝令係がダグダに追い付いた時にはもう、引き返して加勢するのは、恐らく不可能であった。
ダグダは頷いてから南側の中庭に眼をやった。