シオンズアイズ
程無くしてその日はやって来た。

「シオン」

シリウスに呼ばれ、シオンは弾かれたように部屋の入り口を見た。

「……そんな顔しないでよ」

歩を進め、部屋の中央にいたシオンの真正面に立つと、参ったと言うようにシリウスは苦笑した。

カイルは留守だ。

「思いきり、俺が嫌いだって顔に書いてある」

「刺した相手を好きにはなれない」

真っ直ぐシリウスを見つめて、呟くようにシオンが言うと、シリウスは笑顔のままで問いかけた。

「じゃあ、カイルは?」

は?

「カイルの事はどう思ってる?」
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