シオンズアイズ
カイルの事……。

『僕といたいと、言って欲しい』

カイルが言った言葉が脳裏を過り、シオンは躊躇した。

とにかく、カイルと離れたくないと言わなきゃダメなのよね。

けどこの場合、シリウスのこの問いに対して、

『イイ人だと思います』とか、『カッコイイと思います』とか、そういうんじゃないのは、分かる。

分かるけど、分かるけど!

顔をあげると、こちらを凝視しているシリウスと視線が絡んだ。

思いの外、彼は真剣にシオンを見つめている。

ええい!欺くためだわっ!

「好き。カイルが」
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