シオンズアイズ
シリウスがわずかに眼を見開く。

シオンはシリウスに強い眼差しを向けて、再びこう告げた。

「私はカイルを愛してる。片時も離れたくない」

「本当に?」

シリウスが少し眉を上げた。

「本当にカイルを愛してる」

その時、カタンと音がした。

シリウスが体を斜めにして入り口を振り返ると、シオンは彼の体の脇から、突っ立っているカイルの姿を見つけた。

シオン……。

カイルは、息を飲んでシリウスの向こう側のシオンを見つめた。

やだ、聞かれた……!

『カイルといたい』ならまだしも、『カイルを愛してる』を聞かれるなんて……!
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